産廃Q&A
産廃Q&A もくじ
1 廃棄物とは何か
Q1-1 廃棄物処理法の対象となる廃棄物とは何ですか。
廃棄物とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く。)と定義されています(廃棄物処理法第2条)。廃棄物に該当するかどうかは、総合的に判断します。
【総合判断説とは】
廃棄物該当性(該当しないものは有価物)を、5つの要素「物の性状」「排出の状況」「通常の取扱い形態」「取引価値の有無」「占有者の意思」等で総合的にみて判断する考え方です。
詳細は、「産廃の基礎知識(廃棄物該当性の判断)」を参照ください。
Q1-2 リサイクルできる缶・びん・ペットボトルは廃棄物ですか。
最終的にリサイクル(再生利用)されることを前提としているものであっても、発生段階で廃棄物であれば、全て廃棄物になります。
Q1-3 専ら物(もっぱらぶつ)とは何ですか。
「専ら物」とは、専ら再生利用の目的となる廃棄物のことで、国の通知で、古紙、くず鉄(古銅等を含む)、空きびん類、古繊維をいうこととされています。専ら物は、あくまで廃棄物であり、有価物ではありません。廃棄物の処理を業として行う場合には許可が必要ですが、専ら再生利用の目的となる廃棄物(専ら物)のみの処理を業として行う場合は、例外的に許可が不要です。
Q1-4 どの時点で廃棄物になりますか。
占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となった時点で、廃棄物になります。
Q1-5 他人に有償で譲渡できるものは、有価物と考えてよいですか。
有償譲渡の事実のみで判断することはできません。総合判断説で考慮する要素のうち「取引価値の有無」は、占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、かつ、客観的に見て当該取引に経済的合理性があるかによって判断します。さらに「通常の取扱い形態」として、製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないものであるかを判断する必要があります。
本来は廃棄物として取り扱う必要があるにもかかわらず、規制を逃れるため、有償譲渡を装う脱法的な行為は認められません。
Q1-6 輸送費が譲渡価格を上回る場合は、どのような判断になりますか。
原則として、廃棄物に該当します。総合判断説で考慮する要素のうち「取引価値の有無」では、輸送費等の諸経費を勘案しても取引する双方にとって営利活動として合理的な額であるかを判断します。輸送費が売却代金を上回る場合は、取引価値がないものと考えられます。
ただし、廃棄物を再生利用し、又は発電燃料等のエネルギー源とするために有償譲渡する場合の取扱いなど、上記の原則に当てはまらない場合もあります。詳しくは、「「規制改革・民間開放推進3か年計画」(平成16年3月19日閣議決定)」において平成16年度中に講ずることとされた措置(廃棄物処理法の適用関係)について(通知)」(環廃産発第050325002号(改正:平成25年3月29日環廃産発第130329111号))等を参照してください。
2 産業廃棄物と一般廃棄物
Q2-1 産業廃棄物と一般廃棄物(事業系、家庭系)の違いは何ですか。
「廃棄物」は、発生の原因となった活動によって分類すると、一般的に、「事業系廃棄物(事業ごみ)」と「家庭系一般廃棄物(家庭ごみ)」に分けられます。
さらに、「事業系廃棄物(事業ごみ)」は、「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」に分類されます。
- 事業系廃棄物(事業ごみ)・・・事業活動に伴って生じた廃棄物
- 産業廃棄物・・・ 廃棄物処理法に基づいて定められた20種類のもの
- 事業系一般廃棄物・・・産業廃棄物以外のもの
- 家庭系一般廃棄物(家庭ごみ)・・・家庭での日常生活に伴って生じた廃棄物
(参考)事業系廃棄物の正しいごみの出し方
2-1 廃棄物の種類その1:事業系廃棄物と家庭ごみの区別
Q2-1-1 事業系廃棄物と家庭ごみの違いは何ですか。
一般家庭生活を通して出たごみは「家庭ごみ」として扱われます。一方、勤務先の会社などで事業活動を通じて発生したごみは「事業系廃棄物」に分類されます。
なお、事業活動には、営利目的だけではなく、非営利のものも含まれます。
つまり、商店や会社、飲食店、宿泊施設、工場等だけでなく、病院、学校、官公庁等で出たごみも事業系廃棄物となります。
Q2-1-2 住居兼店舗から出るごみは、事業系廃棄物でしょうか。家庭ごみでしょうか。
住居と店舗が同じ建物の場合でも、店舗部分(事業活動)から出るごみは事業系廃棄物、住居部分から出るごみは家庭ごみとなります。事業系廃棄物は事業者が責任を持って処理する義務があり、別々に処理する必要があります。
Q2-1-3 従業員が事業所に持ち込んだ飲食物などの容器や食べ残しは、会社の物ではないので家庭ごみとして捨てて構いませんか。
従業員が事業所に持ち込んだ弁当の容器等も、事業活動に伴うものとして扱うことから、事業系廃棄物に当たります。
事業系廃棄物は、事業者が自ら、適正に処理する責任があり、家庭ごみの収集場所に出すことは不法投棄に当たります。
Q2-1-4 建築物の解体・リフォーム工事等の際に残されていた不用家具等(以下「残置物」という)は、どうすればよいですか。
解体・リフォーム工事の前に、残置物の所有者である建築物の所有者や占有者が、廃棄物処理法に則って処理する必要があります。
家庭の残置物は「家庭ごみ」となり、事務所の残置物は、廃棄物の種類及び性状によって、「産業廃棄物」又は「事業系一般廃棄物」となります。
詳細は、「残置物の適正処理のお願い(環境省)」を参照してください。
Q2-1-5 店舗等に設置しているごみ箱にお客様が捨てた廃棄物は事業系廃棄物に当たりますか。
事業系廃棄物に該当し、店舗等が排出事業者となります。
プラスチックごみやペットボトル、空き缶は、産業廃棄物(廃プラスチック類、金属くず)に該当し、紙ごみや食べ残し(残飯)は、事業系一般廃棄物に該当します。
2-2 廃棄物の種類その2:事業系一般廃棄物と産業廃棄物の区別
Q2-2-1 産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違いは何ですか。
事業活動に伴って生じた廃棄物(事業系廃棄物)のうち、産業廃棄物とは、廃棄物処理法に定められた20種類のものをいい、事業系一般廃棄物とは、産業廃棄物以外のものをいいます。
Q2-2-2 具体的にどのようなものが産業廃棄物となりますか。
「産業廃棄物の種類と具体例」を参照してください。
Q2-2-3 業種限定の産業廃棄物とは何ですか。
産業廃棄物に分類される20種類のうち、特定の事業活動に伴って発生した場合に限り、産業廃棄物として取り扱うこととされているもので、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体の7種類が該当します。これらの廃棄物が、指定業種以外から排出される場合は、事業系一般廃棄物として取り扱います。
詳しくは、「産業廃棄物の種類と具体例」を参照してください。
Q2-2-4 捨てようとしているごみが産業廃棄物か一般廃棄物かは、どのように調べたらいいですか。
京さんぱいポータルでは、具体的な品目ごとに、廃棄する場合の廃棄物としての分類を御案内しています。「事業系廃棄物の分類検索」を御参照ください。
Q2-2-5 従業員が食べた弁当やカップ麺などのプラスチック容器を事業所内に捨てた場合は、事業活動に伴って生じたごみではないので、産業廃棄物ではなく、家庭ごみとして捨てて構いませんか。
事業員が事業所に持ち込んだ弁当の容器等も、事業活動に伴うものとして、事業系廃棄物として取り扱います。
したがって、プラスチック製の弁当容器等は、産業廃棄物(廃プラスチック類)に該当します。
なお、食べ残しの弁当(残飯)や木製の割り箸は、事業系一般廃棄物となります。
Q2-2-6 建設業から排出される「紙くず」は産業廃棄物に分類されていますが、事務所から排出された書類やダンボールも産業廃棄物でしょうか。
「紙くず」は業種限定のある産業廃棄物ですが、建設業の場合、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る」とされています。そのため、建設業を営む事業者が排出する紙くずのうち、建設工事現場で発生した壁紙や段ボール等の紙くずが産業廃棄物に該当し、建設工事現場ではない事務所等から排出された書類やダンボールは事業系一般廃棄物に当たります。
なお、建設工事現場の事務所で発生した生活系の紙ごみ(使用済み紙コップ等)は、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたもの」とはいえないため、事業系一般廃棄物として処理してください。
Q2-2-7 建築業を営む事業者が街路樹を伐採した際に発生した木くずは産業廃棄物ですか。
「木くず」は業種限定のある産業廃棄物ですが、建設業の場合、「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る」とされています。そのため、「工作物の新築、改築又は除去に伴って」樹木を伐採した際に生じた木くずは産業廃棄物に該当しますが、これら工事に伴わない単なる樹木の伐採によって生じた木くずは、建設業者が排出するものであっても、事業系一般廃棄物に該当します。
Q2-2-8 化学繊維と天然繊維の混紡の衣類は、産業廃棄物ですか。
化学繊維と天然繊維の混合割合によって、「総体として産業廃棄物」又は「総体として一般廃棄物」と判断します。
なお、天然繊維であっても、建設業(工作物の新築、改築、増築又は除去に伴うものに限る。)及び繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)から排出されたものは、産業廃棄物(繊維くず)に該当します。
Q2-2-9 保育所等から出る紙おむつは、産業廃棄物ですか。
京都市では、保育所や介護施設などの事業所から排出されるし尿が付着した使用済みおむつは、事業系一般廃棄物として取り扱っています。
なお、し尿が付着していない未使用等の紙おむつが廃棄された場合は、産業廃棄物の廃プラスチック類に該当します。
Q2-2-10 動物病院やペットショップから発生する動物のふん尿や死体は産業廃棄物ですか。また、ふん尿の洗浄排水の処理設備にたまった泥状物はどうですか。
動物のふん尿や死体は、畜産農業に係るものに限り産業廃棄物となりますので、動物病院やペットショップ等において排出するのであれば、事業系一般廃棄物となります。
なお、動物のふん尿や動物舎の洗浄排水を処理するための排水処理施設で発生する泥状物は、産業廃棄物(汚泥)に該当します。
Q2-2-11 飲食店等に設置されているグリーストラップに溜まったごみは、産業廃棄物ですか。
野菜くずや残飯などは、事業系一般廃棄物となります。油分や泥状の廃棄物については、産業廃棄物(廃油、汚泥又はそれらの混合物)に該当します。
Q2-2-12 スーパーマーケットで売れ残った食料品は、産業廃棄物ですか。
売れ残りの食料品のような動植物性残さは、食料品製造業等から排出される場合に限り産業廃棄物となりますので、スーパーマーケットのような小売業から排出されるもので、固形状のものであれば、事業系一般廃棄物となります。
ただし、内容物が泥状のものであれば、産業廃棄物(汚泥)となります。
なお、容器にトレイを使用している場合、産業廃棄物(廃プラスチック類)に該当します。
Q2-2-13 食品工場で製造した食料品について、不良品や、倉庫に保管しているうちに消費期限が切れたものは、産業廃棄物ですか。
動植物性残さは、食料品製造業等から排出される場合、産業廃棄物となります。
固形状のものは動植物性残さ、泥状のものは汚泥、プラスチック製の容器などは廃プラスチック類として、それぞれ産業廃棄物として処理してください。
3 事業系廃棄物の処理方法
Q3-1 産業廃棄物や一般廃棄物の処理はどのようにすればよいでしょうか。
自ら処理するか、許可を受けた処理業者に委託して処理(収集・運搬、処分)しなければなりません。処理業者については、下記を参照してください。
- 一般廃棄物処理業者・・・一般廃棄物収集運搬・処分業許可業者一覧(京都市情報館内)
- 産業廃棄物処理業者・・・産廃処理業者の情報等(当サイト内)
Q3-2 産業廃棄物と一般廃棄物の処理の流れの違いは何ですか。
産業廃棄物は、排出事業者との委託契約に基づき、産業廃棄物処理業者において処理されます。産業廃棄物の処理を委託する際は、契約書の作成、マニフェストの交付など廃棄物処理法に定める所定の基準(委託基準)を守る必要があるほか、その産業廃棄物の処理状況を確認し、最終処分が終了するまでの一連の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講じるよう努める必要があります。
事業系一般廃棄物は、民間のリサイクル施設に処理を委託するか、市のクリーンセンターで焼却されます。リサイクル施設やクリーンセンターへの運搬は、許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者に委託するか、排出事業者が自ら運搬します。
Q3-3 小さな事業所でごみの量も少ないので、市の収集に出してはいけませんか。
事業系廃棄物は、事業者が自ら適正に処理する責任があります。市は家庭ごみのみを収集し、事業系廃棄物は収集対象外ですので、事業系廃棄物を収集場所に出すことは、たとえ少量でも不法投棄に当たり、犯罪として処罰の対象となります(廃棄物処理法第25条により、個人の場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、又はその両方、法人の場合は3億円以下の罰金が科されます。)。
Q3-4 自宅を店舗(事務所)として使っていますが、黄色い袋(燃やすごみ)や透明の袋(資源ごみ)にまとめて入れて出しても構いませんか。
自宅兼事務所や店舗付き住宅など、住居と事業所が同じ建物の場合でも、住居部分から出るごみ(家庭ごみ)と、事業所部分から出るごみ(事業系廃棄物)は、別々に処理する必要があります。
事業系廃棄物は、事業者が自ら適正に処理する責任があり、家庭ごみの収集場所に出すことは、たとえ少量でも不法投棄に当たり、処罰の対象となります。
Q3-5 事務所から出た新聞・雑誌・ダンボール・雑紙・アルミ缶などは、リサイクルするために、地域の集団回収(回収拠点)に出しても構いませんか。
京都市が実施する地域の集団回収などは家庭から出る物を対象としており、事業活動に伴って排出される物は回収できません。
紙類の分別方法や出し方については、現在ごみの収集等の取引をされている業者の方等と御相談のうえ、適切にリサイクルされるよう対応をお願いします。
なお、京都市では、条例に基づき、事業者の皆様にはリサイクル可能な全ての紙類の分別を義務付けています。クリーンセンターでは受け入れていませんので、御注意ください。
詳しくは、「分別義務化チラシ(改訂版)」を御参照ください。
Q3-6 産業廃棄物と一般廃棄物の混合物は、どのように処理すればよいでしょうか。
分別可能な場合は分別を、一体不可分の場合は含有割合等により総体で判断してください。
Q3-7 産業廃棄物と一般廃棄物をまとめて一つの業者に委託することはできますか。
両方の許可を持つ業者であれば、同一の業者に委託することが可能です。ただし、処理方法が異なるため、きちんと分別して委託してください。
4 排出事業者は誰か
Q4-1 「排出事業者」とはどういう意味ですか。
「排出事業者」とは、廃棄物を生じる事業や業務を主体的に行っている事業者のことです。全ての事業者は、その事業から生じる廃棄物の排出事業者に該当します。
なお、建設工事に伴って発生する廃棄物については、発注元や下請け業者ではなく、元請業者が排出事業者となります。
Q4-2 「排出事業者責任」とは、どのようなものですか。
廃棄物処理法第3条において、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならず、また、その廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めなければならないとする排出事業者責任を定めています。排出事業者は、その廃棄物を適正に処理するという重要な責任を有しており、その廃棄物を自ら処理するか、自らの責任において他者に委託して処理しなければなりません。
特に、廃棄物の処理を他人に委託する場合、廃棄物処理業者等に委託をすれば排出事業者としての責任を満了するというものではなく、廃棄物処理法に定める委託基準(第12条第5項、第6項等)を守ることはもちろん、産業廃棄物の処理を委託する場合の処理状況の確認など、最終処分が終了するまでの一連の行程において、適正な処理がなされるよう、必要な措置を講じるよう努める必要があります。
また、排出事業者から廃棄物処理業者への廃棄物処理委託に際しては、排出事業者と処理業者との間の契約に第三者が介在し、あっせん、仲介、代理等を行う事例が見受けられますが、排出事業者は、廃棄物処理を委託する処理業者を自らの責任で決定すべきものであり、処理業者との契約に際して、契約の根幹的内容(委託する廃棄物の種類・数量、処理料金、契約の有効期間等)の決定を第三者に委ねてしまうことは、排出事業者責任への認識や処理業者との関係の希薄化を招くおそれがあり、適切とはいえません。
Q4-3 排出事業者が責任を問われるのは、どのような場合ですか。
排出事業者は、産業廃棄物の処理に関し様々な義務が課され、重い責任を有しています。責任を問われるケースとしては、例えば以下のようなものがあります。
(1) 廃棄物の投棄禁止違反、焼却禁止違反(不法投棄、不法焼却)
何人も、みだりに廃棄物を捨てることは禁止されており、違反者は罰せられます(5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人の場合は3億円以下の罰金)。産業廃棄物を家庭ごみに混ぜるなどして、一般廃棄物(家庭ごみ等)を装って収集場所に排出したり、市のクリーンセンターに持ち込んだりすることも、不法投棄に該当します。廃棄物を焼却することも、一部の例外を除き禁止されています。
(2) 委託基準違反、産業廃棄物管理票(マニフェスト)に係る義務違反
産業廃棄物の処理を委託する場合は、「許可を持つ業者等への委託」「所定の事項を記載した委託契約書の締結」「マニフェストの交付・確認・保存等」といった基準を守る必要があり、違反者は処罰の対象となります。また、排出事業者は、処理業者によって廃棄物が適切に処理されていることを把握するために、処理業者から送付されるマニフェストを確認しなければならず、これを怠った場合は、勧告、公表及び措置命令の対象となり、命令に従わなければ、処罰の対象となります。
(3) 保管基準違反、処理基準違反
排出事業者は、産業廃棄物を保管するに際して所定の基準を守る必要があります。産業廃棄物を、排出場所以外の場所で保管する場合は、法又は京都市の条例に基づき届け出なければならず、違反者は処罰又は過料の対象となります。排出事業者が自ら産業廃棄物の収集、運搬及び処分を行う場合にも、所定の基準に従う必要があり、違反した場合は改善命令又は措置命令の対象となり、命令に従わなければ、処罰の対象となります。
(4) 特別管理産業廃棄物管理責任者設置義務違反
事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生じる事業場の設置者は、その事業場ごとに、その特別管理産業廃棄物の処理を適切に行わせるための責任者を置く必要があり、違反した場合は処罰の対象となります。また、特別管理産業廃棄物管理責任者の設置又は変更の際は、京都市に報告していただく必要があります。
(5) 排出事業者としての無責任な委託
排出事業者が、産業廃棄物の処理に関し適正な対価を負担していない場合や、不適正な処理がされることを知り得た場合などは、処理業者の不適正処理によって生じた生活環境保全上の支障を除去するための措置命令の対象となることがあり、命令に従わなければ、処罰の対象となります。
Q4-4 製品の販売時に、使用済みの製品を販売事業者が引き取る「下取り」をする場合、誰が排出事業者となりますか。
下取り行為については、廃棄物処理法の「原則」と「例外」の考え方をしっかりと理解しておく必要があり、誤った対応をすると、使用者・販売事業者とも廃棄物処理法違反を問われるおそれがありますので、注意が必要です。
<原則>
まず、使用済み製品を支配管理していたのは使用者であり、使用済み製品が廃棄物となった場合、原則として、使用者が排出者となります。したがって、使用者が排出する使用済み製品(廃棄物)を他人が引き取り、運搬するには、下記の例外に該当する場合を除き、廃棄物収集運搬業(使用者が個人の場合は一般廃棄物収集運搬業、使用者が事業者の場合は産業廃棄物収集運搬業)の許可を要することとなり、必要な許可を持たない販売事業者が収集運搬をした場合、その販売事業者は廃棄物収集運搬業の無許可営業に該当することとなります。また、使用者が事業者で、その使用済み製品が産業廃棄物に当たる場合は、排出事業者である使用者は、無許可業者に産業廃棄物の収集運搬を委託した委託基準違反を問われることになります。
<下取りを行う場合の例外>
上記の原則に対し、①新しい製品を販売する際に、②商慣習として、③同種の製品で使用済みのものを、④無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、廃棄物収集運搬業の許可は不要であることが、国の通知で示されています。この場合は、使用済み製品を下取りした販売事業者が排出事業者となります。
ただし、上記①~④の条件を全て満たしていない場合は、原則どおりの取扱いとなる点に、十分注意してください。
① 新しい製品を販売する際に
「販売」の際の使用済み製品の引取りであることから、リース、レンタルなど売買以外の取引において、使用者が所有していた使用済み製品を引き取ることは、上記の「下取り」には該当しません。
また、「販売する際」とは、必ずしも新製品の購入と同時である必要はないとされています。
② 商慣習として
一般的な取引慣行として定着していることが必要であり、使用者が販売事業者に対して使用済み製品の引取りを強要するような場合は、これに該当しません。
③ 同種の製品で使用済みのものを
同種の製品であれば、他社製品でも構いません。ただし、納品されるものと釣り合わない数量の使用済み製品を引き取らせることや、同種の製品以外のものを引き取らせること(同種の製品と抱き合わせで引き取らせることを含む。)は、これに該当しません。
④ 無償で
引き取る使用済み製品の運搬や処分の費用が支払われる場合は、これに該当しません。
Q4-5 倉庫で保管している荷物が廃棄物となった場合の排出事業者は。
荷物を支配・管理し、その廃棄の判断を行うことになる荷主が排出事業者となります。
Q4-6 オフィスやビルのメンテナンスで生じる廃棄物の排出事業者は。
業務の内容等により判断が異なります。
メンテナンス業務が建設工事(土木建築に関する工事(建築物その他の工作物の全て、又は一部を解体する工事を含む。))に該当する場合は、工事の元請業者が排出事業者となります(廃棄物処理法第21条の3第1項)。
建設工事に該当しないメンテナンス業務については、メンテナンスに伴い発生する廃棄物の排出事業者は、メンテナンス業務によって廃棄物を生じさせたメンテナンス事業者か、メンテナンスの対象である設備やビルを管理する所有者又は管理者のいずれかが排出事業者となります。メンテナンス契約において、排出事業者責任の所在と費用負担を定めておくとよいでしょう。
なお、清掃業務のように、廃棄物を一定の場所に集積するに過ぎない場合は、集めた廃棄物は清掃業務によって発生したものとはいえず、ビル等の所有者又は管理者が排出事業者となります。
Q4-7 納品された商品の開梱時に生じるパレットや梱包材などの廃棄物の排出事業者は。
商品がパレットに載せられた状態や梱包状態で購入者に引き渡された場合は、パレットから商品を降ろし、開梱する作業を行った購入者が、廃棄物を生じさせたものとして排出事業者となると考えられます。
Q4-8 企業グループ内の各社の産業廃棄物をまとめて、代表企業が排出事業者となることはできますか。
グループ企業であっても、排出事業者責任は個々の法人に帰属しますので、代表企業がまとめて排出事業者になることはできず、許可を受けた産業廃棄物処理業者への処理委託やマニフェストの交付などは個々の企業名義で行う必要があります。
5 産業廃棄物の処理委託とマニフェストの交付
5-1 産業廃棄物の処理委託
Q5-1-1 産業廃棄物の処理(収集運搬、処分)を委託する際に気をつけることは何ですか。
産業廃棄物の処理(収集運搬、処分)を委託する場合は、許可を持った処理業者に処理を委託するとともに、最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるように注意しなければなりません。
詳しくは、「産業廃棄物処理委託契約の注意点」を参照してください。
処理業者については、「産廃処理業者の情報等」を参照してください。
Q5-1-2 産業廃棄物処理の委託契約書のひな型はありますか。
委託契約書に記載すべき事項を踏まえた「産業廃棄物処理委託標準契約書」を参考にしてください。
Q5-1-3 契約内容に変更が生じた場合、変更契約を交わす必要がありますか。
変更内容が軽微な場合、変更内容を書面で定め、その書面を双方記名のうえ契約書に添付する方法で差支えありません。変更内容が重要な場合は、事故防止のために改めて契約をし直してください。
Q5-1-4 親会社が、子会社(別法人)の産業廃棄物の処理委託契約を締結することができますか。
排出事業者責任は個々の法人に帰属しますので、親会社であっても別法人が排出する産業廃棄物について、処理業者と委託契約を締結し、処理を委託することはできません。子会社が自ら処理委託契約を締結し、処理委託する必要があります。
Q5-1-5 テナントビルの各テナントが排出した産業廃棄物の処理委託契約を、そのビルの管理会社が締結することはできますか。
産業廃棄物の排出事業者は各テナントであり、排出事業者責任を徹底する観点から、原則としてビル管理会社を代理人とする契約締結は認められませんが、ビル管理会社がテナントの産業廃棄物の集荷場所を提供するなどして廃棄物の排出管理が共同で行われている場合、例外的に、産業廃棄物の処理委託契約や、マニフェストの交付を管理会社が代行することを認めています。この場合でも、産業廃棄物の処理責任は各テナントにあることから、契約者はそれぞれのテナントとしてください。
Q5-1-6 処理料金の支払に当たって、収集運搬業者に運搬料金と処分料金を一括して支払うことができますか。
産業廃棄物の処理を委託する場合は、収集運搬と処分について、それぞれ別個に契約を締結する必要がありますが、処理料金の支払方法については、委託基準に特段の定めはありません。そのため、質問のような支払方法をとることも違法ではありませんが、廃棄物処理法の趣旨を徹底する観点からは、個々の契約に基づいて直接に相手方の処理業者に支払うことが望ましいといえます。
Q5-1-7 自社の敷地内で、自社の産業廃棄物の運搬(排出場所から保管庫までの運搬等)を他者に委託する場合、委託基準は適用されますか。
産業廃棄物を、その排出場所から公道を経由せず、同じ敷地内にある保管場所に移動させるに過ぎない場合は、廃棄物の処理過程に入ったとはいえないため、委託基準は適用されません。
Q5-1-8 「専ら物」の処理を委託するときに、委託契約書を締結する必要がありますか。
産業廃棄物である専ら物の処理を委託するのであれば、契約書の作成が必要です。「専ら物」は、これを専門に取り扱う再生業者に再生利用を委託する場合に、当該再生業者の廃棄物処理業の許可が不要である、マニフェストの交付が不要であるといった廃棄物処理法の例外規定がありますが、同法の委託基準の適用は除外されていませんので、産業廃棄物であれば、委託契約書の締結は必要です。
Q5-1-9 家電リサイクル法の対象製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は、どのように廃棄すればよいですか。
次のいずれかの方法で処理してください。
① 買替えの場合は、新しい製品の購入店に依頼する。
② 処分する場合で、購入先が分かるときは、その購入店に依頼する。
③ 産業廃棄物収集運搬許可業者に指定引取場所への運搬を委託する(指定引取場所までの運搬中のみマニフェストの運用が必要)。
④ 自ら指定引取場所に運搬し、製造業者等に引き渡す。
詳しくは、「家電4品目の排出事業者向け案内サイト(一般財団法人家電製品協会)」を参照してください。
Q5-1-10 排出事業者が産業廃棄物の処理を委託した場合、必ず適正処理の実地確認が必要ですか。
必ずしも、実地確認が必要というわけではありませんが、次のような方法により、適正処理を確認してください。
- 委託先の中間処理施設や最終処分場等を実地に確認する(現地確認)。
- 委託先が公表している情報により間接的に確認する。
- 優良認定処理業者に処理を委託している場合は、処理業者による産業廃棄物の処理状況に関するインターネットによる公表情報を確認する。
- 産業廃棄物処理施設の維持管理の状況に関するインターネットによる公表情報を確認する。
5-2 マニフェスト
Q5-2-1 マニフェスト(産業廃棄物管理票)とは何ですか。
産業廃棄物の処理を委託する場合、その産業廃棄物について排出から最終処分までの流れを一貫して把握・管理することで、不適正処理を防止し、排出事業者としての処理責任を果たすために処理業者に交付する管理票のことです。廃棄物処理法では、マニフェストの交付義務、措置内容等の報告義務などが定められています。
詳しくは、「マニフェスト(紙・電子マニフェスト)」を参照してください。
Q5-2-2 紙のマニフェストは、どこで購入できますか。
紙マニフェストは、「公益社団法人京都府産業資源循環協会」で購入できます。
Q5-2-3 排出事業者が自ら産業廃棄物の収集運搬・処分を行う場合、委託契約及びマニフェストは必要ですか。
排出事業者が、自らの産業廃棄物の処理を行う場合には、委託契約の締結やマニフェスト交付の必要はありません。
Q5-2-4 ビルの管理会社が、マニフェストの交付を行うことはできますか。
テナントビル等においてビル管理会社がテナントの産業廃棄物の集荷場所を提供し廃棄物の排出管理が共同で行われている場合、当該集荷場所の提供者が排出事業者からの依頼を受け、自らの名義でマニフェストを交付し、返送マニフェストの確認及び保存等を行うことができます。ただし、処理責任は各テナント事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、個々の事業者の名義で別途行われなければなりません。
Q5-2-5 収集運搬業者にマニフェストの購入や記載をしてもらってもよいですか。
マニフェストについては、排出事業者が交付する義務がありますので、排出事業者が購入して記載してください。
Q5-2-6 処理業者から、マニフェストを紛失したため再交付を求められた場合、再交付することはできますか。
マニフェストを再交付することはできません。処理業者がマニフェストを紛失した場合、収集運搬業者又は処分業者の手元に残っているマニフェストをコピーしたものをD票又はE票の代わりとして使用するなど、対応してください。
なお、電子マニフェストの使用により紛失のリスクを回避できるなど、マニフェストにまつわるリスクやコストを軽減できるメリットがありますので、電子マニフェストの導入をぜひ御検討ください。
Q5-2-7 産業廃棄物の数量について、引渡時に計量をしていない場合、マニフェストにはどのように記載すればよいですか。
マニフェストを交付する際に、「4トントラック1台」や「フレコンバッグ2袋」など、荷姿と個数や運搬容器の容量等を用いて記載し、処分業者に、計量した数量を「備考・通信」欄に記入して返送するよう依頼してください。
なお、産業廃棄物の数量はマニフェストの法定記載事項であり、未記載のまま交付することは違法(管理票記載義務違反)となりますので御注意ください。
Q5-2-8 期限を過ぎても処理業者からマニフェストが送付されない場合、どうしたらよいですか。
処理業者に問い合わせて処理の状況を把握するとともに、生活環境保全上の支障の除去又は発生防止のために必要な措置を講じたうえ、30日以内に京都市に「措置内容等報告書」を提出してください。
詳しくは、「産業廃棄物に係る措置内容等報告」を参照してください。
Q5-2-9 返送されたマニフェストに虚偽記載があった場合、どのように対応すればよいですか。
速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、生活環境保全上の支障の除去又は発生防止のために必要な措置を講じたうえ、虚偽の記載のあることを知った日から30日以内に京都市に「措置内容等報告書」を提出してください。
詳しくは、「産業廃棄物に係る措置内容等報告」を参照してください。
Q5-2-10 産業廃棄物管理票交付等状況報告は必ず必要ですか。
排出事業者(中間処理業者を含む。)は、毎年6月30日までに、前年度1年間に交付したマニフェストの交付等の状況を報告する必要があります。また、これは法定事項ですので省略することはできません。
様式や記入例、よくある質問などを「産業廃棄物管理票(マニフェスト)交付等状況報告」に掲載していますので、参照してください。
なお、電子マニフェストを使用する場合は、排出事業者に代わって情報処理センター(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)が集計して京都市に報告するため、排出事業者からの報告は不要となります。電子マニフェストの導入をぜひ御検討ください。
5-3 電子マニフェスト
Q5-3-1 電子マニフェストとは何ですか。
電子マニフェストは、事業者、収集運搬業者、処分業者の3者が、情報処理センターを介したネットワークでつながることで、産業廃棄物の処理状況等を報告・管理する仕組みです。電子マニフェストを導入することで、事務処理の効率化、マニフェストの保存が不要、産業廃棄物管理票交付等状況報告が不要など、様々なメリットがあります。ぜひ導入を御検討ください。
電子マニフェストの加入方法・料金等については、「電子マニフェスト」を御参照ください。
Q5-3-2 電子マニフェストの使用は義務ですか。
前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場を設置する事業者が、当該事業場から排出される特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の処理を委託する場合に限り、電子マニフェストの使用が義務付けられています。
Q5-3-3 電子マニフェスト制度に処理業者が加入していない場合、電子マニフェストを使用することはできますか。
電子マニフェストを使用するためには、排出事業者と収集運搬業者、処分業者の三者がともに電子マニフェスト制度に加入している必要があり、そのうちの一者でも加入していないと電子マニフェストを使用することができないため、御注意ください。
なお、「京都市産廃処理業許可業者」のページでは、電子マニフェストの導入を検索条件にすることができます。
全国の処理業者を検索する場合は、「公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団のホームページ」において、同様の条件で検索することができます。
6 産業廃棄物の処理方法など(自ら処理する場合)
6-1 廃棄物の保管
Q6-1-1 事業場内で産業廃棄物を保管する場合、どのようなことに注意すべきですか(保管基準)。
事業者は、産業廃棄物が運搬されるまでの間、廃棄物処理法に定める技術上の基準に従い保管しなければなりません(廃棄物処理法第12条第2項、同法施行規則第8条)。
保管基準の概要は以下のとおりです。
- 周囲に囲いを設置すること
- 見やすい場所に産業廃棄物の保管場所である旨など所定の事項を表示した掲示板を設置すること
- 飛散、流出、地下浸透、悪臭発散しないよう、必要な措置を講じること
- ねずみ、害虫の発生を防ぐこと
- 石綿含有産業廃棄物又は水銀使用製品産業廃棄物の保管を行う場合は、他の産業廃棄物を混合しないようにすること
- 屋外で保管する場合は、周囲に囲いを設置すること、また、1/2勾配(50%勾配)で保管すること
詳しくは、「さんぱいチェックの基本シート(1保管の基準)」を御参照ください。
Q6-1-2 事業所外の別の場所で産業廃棄物を保管する場合、事業場内で保管する場合の基準との違いはありますか。(事業場外保管に適用される保管基準)
産業廃棄物を事業場外の別の保管場所で保管する場合は、収集、運搬、処分等の廃棄物の処理過程の中で行う保管として、産業廃棄物処理基準(廃棄物処理法第12条第1項、同法施行令第6条)が適用されます。
処分場に運搬するまでの、積替えのための保管の場合、事業場内での保管に適用される基準(Q6-1-1参照)に加え、次の基準が適用されます。
○ 積替え(※下記の基準を満たすこと)のための保管であること
※ 積替えの基準
- あらかじめ、積替え後の運搬先が定められていること
- 搬入された廃棄物量が、その場所で適切に保管できる量を超えないこと
- 搬入された産業廃棄物の性状に変化が生じないうちに搬出すること
○ 保管する廃棄物の数量が、その保管場所における1日当たりの平均的な搬出量の7日分を超えないようにすること
また、事業場外に一定規模以上の保管場所を設ける場合は、事前の届出も必要になりますので(Q6-1-3を御参照ください)、御注意ください。
Q6-1-3 事業所外の別の場所で産業廃棄物を保管する場合、何らかの手続が必要ですか。(事業場外保管届)
京都市内で300㎡以上の面積の保管用地を設ける場合は、保管用地の届出の手引に従って、事前に届け出てください。
※ 廃棄物処理法では、建設工事に伴って生じた産業廃棄物のみが事業場外保管の届出対象とされていますが、京都市では、京都市産業廃棄物の不適正な処理の防止等に関する条例において、その他の産業廃棄物についても事業場外で保管する際の届出義務を課しています。
詳しくは、「保管用地の届出制度の手引」を参照してください。
6-2 自社の車での産業廃棄物の運搬
Q6-2-1 事業所から自社の車で産業廃棄物を処分業者まで運搬する場合、どのようなことに注意すべきですか。(運搬に当たっての基準、自動車の表示等)
廃棄物処理法に定める収集運搬の基準に従い運搬しなければなりません(廃棄物処理法施行令第6条第1項第1号、第3条第1号等)。
収集運搬の基準の概要は、以下のとおりです。
- 産業廃棄物が飛散、流出しないようにすること
- 収集運搬に伴う悪臭、騒音等によって生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講じること
- 運搬車の車体の両側面に産業廃棄物の収集運搬車である旨(文字サイズ5cm角以上)及び事業者名(文字サイズ3cm角以上)を表示すること
- 運搬車に所定の事項を記載した書類を備え付けておくこと
詳しくは、「さんぱいチェックの追加シート(2)(2運搬の基準)」を参照してください。
Q6-2-2 自社の車で産業廃棄物が排出された場所から、自社の保管用地に運搬する場合及びその保管用地から自社の別の保管用地又は産業廃棄物処分施設まで運搬する場合、どのようなことに注意すべきですか。
Q6-2-1の基準に加え、運搬指示票を携行する必要があります。(京都市産業廃棄物の不適正な処理の防止等に関する条例第6条、同施行規則第8条)
運搬指示票の記載事項は以下のとおりです。
- 運搬する産業廃棄物の種類及び数量
- 保管用地に産業廃棄物を搬入する場合は、搬入元の事業場又は保管用地の名称及び所在地
- 保管用地から産業廃棄物を搬出する場合は、搬出先の産業廃棄物処理施設又は保管用地の名称及び所在地
- 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地)
- 運搬指示票を交付した者の氏名
- 運搬指示票を交付した年月日
- 産業廃棄物の荷姿
- 保管用地に産業廃棄物を搬入する場合で、当該産業廃棄物が建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第9条第1項に規定する対象建設工事に伴って生じたものであるときは、その旨
- 運搬予定年月日
- 運搬の業務に従事する者の氏名
詳しくは、「保管用地の届出制度の手引」を参照してください。
運搬指示票は、「運搬指示票用紙」を御利用ください。
7 不適正処理
Q7-1 自社で廃棄物を焼却する場合には、どのような焼却炉を準備する必要がありますか。
焼却炉の基準はこちらを御参照ください。
参考「焼却炉の構造基準・焼却方法」
Q7-2 自社の所有地であれば、廃棄物を埋めても問題ありませんか。
不法投棄に当たり、犯罪として処罰の対象となります(廃棄物処理法第25条により、個人の場合は5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、又はその両方、法人の場合は3億円以下の罰金が科されます。)。
Q7-3 所有地を掘り起こしたら廃棄物が出てきましたが、埋め戻しても構いませんか。
工事等のために地面を掘り起こした際に廃棄物が出てきた場合は、工事の元請事業者が排出事業者として廃棄物を処分する必要があります。
なお、埋め戻した場合は、不法投棄になります。
8 PCB廃棄物
Q8-1 京都市内の事業場で保管されているPCB廃棄物は、年に1回、保管及び処分状況の届出が京都市長宛てになされると思いますが、その届出状況の一覧を見ることはできないのですか。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理に関する特別措置法に基づき、京都市に対し、保管及び処分状況の届出がなされ、京都市ではそれをデータベース化して管理しています。この内容については、以下のURLで公開しており、御確認いただけます。
https://data.city.kyoto.lg.jp/dataset/00227/
ただし、最新の届出の情報とはタイムラグがあることや、PCB廃棄物がある事業場でも管理者において発見されていないため一覧に記載できていないケースもある点に留意ください。
Q8-2 塗料にもPCBが使用されているものがあると聞きましたが、どのようなところに使用されているのですか。
昭和41年(1966年)から昭和47年(1972年)1月の間に製造された一部の塩化ゴム系塗料について、PCBが可塑剤として使用されていたことが確認されています。なお、この塗料は主に道路橋等の鋼構造物や、船舶に使用されたと見られています。
PCBを使用した塩化ゴム系塗料のメーカー名及び商品名は以下のとおりであり、このうち、上記の期間に製造されたものに限りPCBを含有していると考えられます。
(PCB含有塗料)
関西ペイント(株):ラバマリンプライマ、ラバマリン中塗、ラバマリン上塗
中国塗料(株):「ラバックス」シリーズ
日本ペイント(株):ハイラバーE
東亜ペイント(株)(現(株)トウペ):SR ハイコート、SRマリンA
Q8-3 シーリング材にもPCBが使用されているものがあると聞きましたが、どのようなところに使用されているのですか。
昭和47年(1972年)以前に製造されたポリサルファイド系シーリング材(建築用シーリング材)には、PCBが可塑剤として使用されている可能性があります。詳しくは、日本シーリング材工業会のホームページ「PCBと建築用シーリング材」を参照ください。
9 特別管理産業廃棄物
Q9-1 特別管理産業廃棄物を排出する場合に、どのようなことに注意する必要がありますか。
普通の産業廃棄物とは、主に次のような点で異なりますので、注意してください。
① 処理基準の違い
特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして、普通の産業廃棄物とは別に処理基準や委託基準が定められています(廃棄物処理法第12条の2)。
② 特別管理産業廃棄物管理責任者の設置義務
特別管理産業廃棄物を生じる事業場については、その事業場ごとに、その事業場の特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため、所定の資格要件を満たす「特別管理産業廃棄物管理責任者」を置くことが義務付けられています。京都市では、この責任者を置いた際や変更した際に報告書の提出を求めていますので、適切な対応をお願いします。特別管理産業廃棄物管理責任者の報告については、こちらを御参照ください。
③ 多量排出事業者
前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場の設置者は、多量排出事業者に該当し、特別管理産業廃棄物の減量その他処理に関する計画と、その実施状況の報告が義務付けられます。
特別管理産業廃棄物の多量排出事業者には、電子マニフェストの使用も義務付けられていますので、該当する事業者におかれては、適切な対応をお願いします。
→ 多量排出事業者の特別管理産業廃棄物処理に関する計画と実績の報告についてはこちらを御参照ください。
→ 電子マニフェストの使用についてはこちらを御参照ください。