下取り行為については、廃棄物処理法の「原則」と「例外」の考え方をしっかりと理解しておく必要があり、誤った対応をすると、使用者・販売事業者とも廃棄物処理法違反を問われるおそれがありますので、注意が必要です。

<原則>

まず、使用済み製品を支配管理していたのは使用者であり、使用済み製品が廃棄物となった場合、原則として、使用者が排出者となります。したがって、使用者が排出する使用済み製品(廃棄物)を他人が引き取り、運搬するには、下記の例外に該当する場合を除き、廃棄物収集運搬業(使用者が個人の場合は一般廃棄物収集運搬業、使用者が事業者の場合は産業廃棄物収集運搬業)の許可を要することとなり、必要な許可を持たない販売事業者が収集運搬をした場合、その販売事業者は廃棄物収集運搬業の無許可営業に該当することとなります。また、使用者が事業者で、その使用済み製品が産業廃棄物に当たる場合は、排出事業者である使用者は、無許可業者に産業廃棄物の収集運搬を委託した委託基準違反を問われることになります。

<下取りを行う場合の例外>

上記の原則に対し、①新しい製品を販売する際に、②商慣習として、③同種の製品で使用済みのものを、④無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、廃棄物収集運搬業の許可は不要であることが、国の通知で示されています。この場合は、使用済み製品を下取りした販売事業者が排出事業者となります。

ただし、上記①~④の条件を全て満たしていない場合は、原則どおりの取扱いとなる点に、十分注意してください。

① 新しい製品を販売する際に

「販売」の際の使用済み製品の引取りであることから、リース、レンタルなど売買以外の取引において、使用者が所有していた使用済み製品を引き取ることは、上記の「下取り」には該当しません。

また、「販売する際」とは、必ずしも新製品の購入と同時である必要はないとされています。

② 商慣習として

一般的な取引慣行として定着していることが必要であり、使用者が販売事業者に対して使用済み製品の引取りを強要するような場合は、これに該当しません。

③ 同種の製品で使用済みのものを

同種の製品であれば、他社製品でも構いません。ただし、納品されるものと釣り合わない数量の使用済み製品を引き取らせることや、同種の製品以外のものを引き取らせること(同種の製品と抱き合わせで引き取らせることを含む。)は、これに該当しません。

④ 無償で

引き取る使用済み製品の運搬や処分の費用が支払われる場合は、これに該当しません。

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